蛍光灯は2027年に販売中止へ|オフィス・店舗のLED照明器具への交換は必要?費用と注意点を電気工事士が解説

蛍光灯はいつまで製造される?

国際条約(水俣条約)に基づき、水銀を含む蛍光ランプの製造・輸出入が段階的に禁止されるため
ほとんどのメーカーが製造を中止しています。
現在も販売は続いていますが、すでに一部の蛍光灯は品薄・価格上昇が始まっております。

この記事ではー

なぜ2027年に蛍光灯が製造中止になるのか
どの蛍光灯が影響を受けるのか
これからオフィスや店舗などはどう備えるべきか

などを、電気工事士の視点からわかりやすく解説します。

2027年問題とは?水俣条約と水銀規制

最大の理由は水銀に関する水俣条約に基づく国際的な規制です。
蛍光灯には微量の水銀が含まれているため
2027年末以降は”製造・輸出入”が禁止されます。

今現在使用している蛍光灯や予備に買った蛍光灯はそのまま使用出来ますが、

  • 国内の在庫が尽きたら入手が困難になる
  • 古い蛍光灯器具はLED化が必要になる可能性が高くなる
  • 蛍光灯の供給が減少することで価格が高騰する

といった問題が出てくると予想されており、これが「2027年問題」と呼ばれる理由です。

「急に蛍光灯が手に入らなくなるの?」
「今すぐなにをすればいいの?」
こうしたご相談が増えているため、わかりやすく説明します。

LED照明器具の歴史と普及前の悪いイメージ

最近よく耳にする「LED」ですがその歴史は非常に古く
100年以上前に原理が発見されていました。
それから、1962年に赤色LEDが発明され
1990年代には青色・緑色LEDが発明され光の三原色が揃い
そして2000年代から白色のLED照明器具の実用化が進んでいきました。

しかし当時のLED照明器具には、高価・暗い・色が不自然・互換性が悪い・壊れやすいなど
”悪い印象”があり思うように普及しませんでした。

価格が高い

普及当時のLED電球は1個4,000円~6,000円程度と非常に高価で
「電球にこの値段は出せない」という声が多くありました。
家中をLED化しようとすると、かなりの初期費用が必要でした。

明るさが足りない(暗い)

初期のLED照明器具は光束が低く、白熱電球や蛍光灯より暗い印象がありました。
また、全方向を照らすタイプが少なく、スポットライトのように一部しか明るくない製品も多かったのです。

発光色が不自然(青白い・寒い・冷たい)

昼白色や昼光色は青みが強く「病院や会議室みたいで落ち着かない」と感じる人もいました。
演色性も悪く、顔色や食べ物の色が不自然に見えることもありました。

寿命・信頼性への不安

LED自体は長寿命ですが、電源回路(ドライバ)が先に故障するケースもあり
「本当に10年持つの?」という疑念につながりました。
蛍光灯への信頼が強かったため、「LEDは壊れやすい」という印象が広がりました。

調光器や器具との相性トラブル

古い調光器や安定器との互換性が低く、ちらつき・点滅・動作不良などのトラブルも多く、
「扱いにくい照明」というイメージが広がりました。

屋外・寒冷地に弱い

初期製品は低温下で光量が落ちるものが多く、
これにより「寒い地域には向かない照明」という誤解も生まれました。

実用性はまだ先の未来の照明

省エネで長寿命というメリットは知られてはいましたが、
「店舗・展示用など特殊な用途の照明」という認識が強く、
家庭用としては技術がまだ不十分と考える人も多くいました。

2011年に発生した東日本大震災後、電力不足への対応として省エネ照明への切り替えが急速に進みました。
この時期に「LED=節電」というイメージが定着しました。

そして現在は、価格・明るさ・演色性・信頼性・互換性が大きく改善され
LED照明器具は「省エネで長寿命、明るく安全」という認識になっています。

蛍光灯と初期LED照明器具(2000年ごろ)・現在のLED照明器具(2011年~)との比較

では、蛍光灯・初期のLED照明器具・現在のLED照明器具を比較してみましょう。
初期のLED照明器具と現在のLED照明器具はまったく別物と言えるほど性能差があります。
以下の表を見るとその違いが一目でわかります。

蛍光灯LED照明器具 2000年ごろLED照明器具 2011年~
価格安価 数百円~数千円非常に高価 数千円~1万円以上量産化で価格低下 数千円程度
明るさ部屋全体を照らせる十分な光量暗い・指向性が広がりにくい一般照明にも使えるレベルに到達
光の色味電球色・昼白色など選択肢が多い青白い光が主流で「冷たい」印象電球色タイプが登場し「冷たい」イメージが改善
普及度家庭・オフィスで広く普及高価・性能不足で限定的(看板や装飾用途中心)震災後の節電需要で急速に普及開始
使い勝手既存器具に対応しやすい互換性が低く、取付けに制約あり互換性改善、一般ソケット対応製品が増加
イメージ安定した照明未来的で実用的ではない省エネで実用化が進んだ

オフィスや店舗は大丈夫?LED照明器具の交換チェックリスト

以下に蛍光灯からLED照明器具へ交換するチェックリストを作成しました。

  • 直管蛍光灯(FL・FLR・FHFなど)を使っている
  • 丸型蛍光灯(FCLなど)を使っている
  • 蛍光灯器具が10年以上経っている
  • 点灯に時間がかかる・ちらつく
  • 天井埋込型で交換したことがない

1つでも当てはまる場合は
2027年以降に交換や修理が難しくなる可能性があります。

チェックに当てはまる場合

  • 交換用の蛍光灯が手に入らなくなる
  • 安定器の故障で突然使用できなくなる
  • 事務所や店舗では営業に支障が出る
  • 工事の予約が集中してすぐに対応出来ない可能性がある

というようなリスクがあります。

蛍光灯とLED照明器具の大きな違いとバイパス工事とは

蛍光灯とLEDの器具には、安定器の有無という大きな違いがあります。
蛍光灯は「安定器」を通して安定した電流を供給しますが、
LED照明器具にはこの「安定器」と同じ働きをする器具(ドライバー)が内蔵されていますので、安定器が必要ありません。
この安定器を取り外す工事を「バイパス工事」と言います。

バイパス工事をせずに、電球やランプのみをLED照明に交換する方法もありますが、この場合、工事費用は抑えられますが、一部の器具では火災のリスクや、正常に点灯しない・ちらつきなどの誤作動を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。

また、安定器自体も電力を消費しますので、節電効果に期待してLED照明に変えたのに電気代が思ったよりも安くならない。といった原因になる場合もあります。

LED照明器具の良さを最大限にして、長く安全に使用し続けようと思っているのであれば、
専門工事が必要にはなりますが、バイパス工事か器具ごと交換することをおススメします。

照明器具の種類と値段・工事費用の相場

ご依頼やご相談を受けることの多いLED照明器具の種類や、工事費用の相場をまとめてみました。
照明器具本体の値段に幅があるのは、アプリや音声で操作できるなどの多機能モデルになると値段が高くなります。
工事費用の相場は、シーリングライトのように設置のみだと費用を抑えられますが、
ダウンライトのように埋込の穴開けから施工を開始する場合は、初期費用が高くなってしまいます。

照明器具の種類照明器具本体の値段工事費用の相場
直管型LEDランプ20W~40W 1,000~3,000円/1本
110W 5,000~10,000円/1本
バイパス工事のみ  3,000~5,000円
器具ごと交換 10,000~30,000円
一体型LEDベースライト 天井直付け20W 30,000~35,000円/1台
40W 35,000~45,000円/1台
2,000~10,000円
スクエアベースライト 埋込型450タイプ 20,000~35,000円
600タイプ 25,000~50,000円
3,000~6,000円
シーリングライト6~8畳用 6,000~10,000円
12畳用 10,000~30,000円
14畳用 12,000~45,000円
20畳用 20,000~50,000円
2,000~8,000円
ダウンライト一体型 2,000~7,000円
交換型 4,000~13,000円
*交換用電球20W~60W 500~1,500円/1個
一体型タイプの交換工事 6,000~15,000円
新設工事(穴あけ込) 10,000~30,000円

どの照明器具を設置するべきなのか?
部屋の広さに対して設置台数は何台くらい必要か?
新設する場合配線は隠ぺいできるのか?

など疑問があれば、当社では無料診断を行っておりますので、最適な方法をご提案いたします。

LED化をすることのメリット5選

LED照明器具についてさまざまな視点からお話をさせていただきましたが、
LEDに交換するメリットはやはり

  • 省エネ効果→蛍光灯に比べて消費電力が約30~50%削減でき、電気代の節約につながります。
  • 長寿命→蛍光灯の寿命が約6,000~12,000時間に対して、LEDは約40,000時間以上です。交換の手間やコストを大幅に減らせます。
  • 安全性→水銀を含まないため環境に優しく、破損時の有害物質リスクもありません。
  • 即時点灯でちらつきなし→スイッチを入れるとすぐに明るくなり、安定器の劣化によるちらつきもありません。
  • 器具の選択肢が豊富→直管型・丸型・ダウンライト・シーリングライトなど、オフィスや店舗の用途に合わせた製品が揃っています。

以上のことから、蛍光灯からLEDへ切り替えることで、節電・安心・快適さを同時に得られると思います。

まとめ:蛍光灯の時代が終わる今が切替のタイミング

蛍光灯はすでに一部で製造終了が進んでおり
これからは LED照明器具が標準の時代 になります。

「蛍光灯の在庫がなくなった」
「安定器が壊れた」
「照明が暗くなってきた」

というご相談が急速に増えています。
まずは”現状どのタイプの蛍光灯か”を知ることが第一歩です。
「どこを確認したらいいか分からない。」という方には
当社が現地調査やお見積りを無料で行います。

当社ではLED照明器具交換工事を承っております

「どれくらい節電できる?」
「今の器具にそのまま取付けできる?」
など、現場によって最適な工事方法は異なります。

当社では、現地調査から器具選定・施工まで一貫して対応しております。
LED化をご検討の方は、まずはご相談ください。