電気自動車(EV)が普及する背景と、企業が直面する課題
世界的な脱炭素化の流れを受け、日本でも電気自動車(EV)の導入が進んでいます。
企業においても、環境配慮・燃料費の削減・補助金の活用など、
電気自動車(EV)は「次世代の社用車」として注目されています。
しかし、北海道で電気自動車(EV)充電設備を導入するための課題として、
電力容量の不足のほか、
気温が-20℃を下回る地域での充電速度の低下
屋外設備の積雪や凍結によるトラブル
沿岸部では潮風による塩害
などのリスクがあり、設備選定や施工方法を誤ると、故障や電気代の増加につながるケースもあります。
当社は協力会社として、電気自動車(EV)充電設備の後付け工事に携わってきました。
その経験をもとに、寒冷地での電気自動車(EV)充電設備について、できるだけわかりやすくお伝えします。
普通充電設備と急速充電設備の耐用年数やメンテナンスについて知りたい方は、コチラの記事も参考にしてみてください。
「電気自動車(EV)充電設備の耐用年数は?|企業が知っておくべき寿命・メンテナンスの考え方」
この記事の目次
●電気自動車(EV)充電器の種類と、企業が選定する際のポイント
●普通充電器(3kW~6kW)とは?
・普通充電器(3kW~6kW)には大きく分けて2種類ある
・普通充電器(3kW~6kW)のメリット・デメリット|一般家庭やマンションの駐車場・企業の社用車にオススメ
●急速充電器(50kW~150kW)とは?
・急速充電器(50kW~150kW)のメリット・デメリット|商業施設・宿泊施設などの来客サービスにオススメ
●設置費用の相場(目安)はいくらくらい?
・普通充電器(3kW~6kW)の場合
・急速充電器(50kW~150kW)の場合
●普通充電器と急速充電器の比較表
●電気自動車(EV)充電設備を企業が導入するメリット・デメリット
・電気自動車(EV)充電設備を導入するメリットとは?
・電気自動車(EV)充電設備(特に道東などの寒冷地)を導入するデメリットとは?
●まとめ:EV充電設備は次世代エネルギーとして企業のメリットになる
●日進電設工業は協力会社として電気自動車(EV)充電設備の施工経験があります
電気自動車(EV)充電器の種類と、企業が選定する際のポイント
電気自動車(EV)のバッテリー容量は、車種によって様々です。
小さいもので約20kWh(国産の軽自動車)から、大きいもので約120kWh(ベンツやアウディなどの外車)と幅広くあり、
用途・設置環境・電力容量によって最適な設備が変わるため、それぞれの特徴を把握することが重要となります。
企業が電気自動車(EV)の導入を検討する際、まず理解しておきたいのが「普通充電器」と「急速充電器」の違いです。
ここでは2種類の充電器の違いについてご説明いたします。
普通充電器(3kW~6kW)とは?
家庭用の100Vや200Vの交流電流を、
自動車内部のインバーターで直流に変換して充電する方法で、
8kW~10kWの高出力タイプもありますが、
3kW~6kWの出力タイプが一般的です。
3kWの充電器では約15A、6kWの充電器では30Aが必要です。
どれくらいの充電時間なのか単純に計算をしてみますと、
一般家庭に多い200V/15Aのコンセントで、
バッテリー容量が20kWhのEV自動車の充電をする場合、
200V×15A=3000W(3kW)となり、
1時間で20kWhのうち3kWhの充電ができるということになります。
そのため、100%充電する場合は、6~7時間かかってしまいます。
6kWの充電器を使用する場合は、半分の3時間~3時間半で充電が完了します。
低圧の電流で充電するので、充電時間が長くなりますが、
充電による発熱が少ないのでバッテリーに優しく、
設備コストが抑えられ、運用しやすいというのが特徴で、
企業の社用車やマンション、駐車場で最も採用されているタイプです。
普通充電器(3kW~6kW)には大きく分けて2種類ある

普通充電器には、屋外の壁面に充電器のみを取付けるタイプと、ケーブルと一体型になっている充電器を取付けるタイプの2種類があります。
どちらのタイプを導入するかの判断も重要になってきます。
・コンセントタイプ(可搬型)200V
比較的安価で導入しやすく、EV充電ケーブルを接続し充電をします。
EV充電ケーブルは電気自動車購入時に標準搭載されていますが、
「予備で置いておきたい。」「ケーブルが破損した。」などの場合は、
追加で購入する必要があります。
・据置型(壁掛け型・スタンド型)
充電器本体と充電ケーブルが一体になっていますので、
企業やマンションの共用部に適したタイプです。
そのため、「盗電が心配」と思う方もいると思いますが、
盗電防止対策として、ケーブルやコネクタ部分に鍵を取り付けて、
物理的にロックをする方法や、スマホと連携をし、スマホで認証を完了しないと電気が流れないようにする方法などがあります。

普通充電器(3kW~6kW)のメリット・デメリット|一般家庭やマンションの駐車場・企業の社用車用にオススメ
普通充電器(3kW~6kW)のメリットは
- バッテリーへの負担が少ない
- 社用車などの夜間充電に最適
- マンション、企業、駐車場などの施設で導入しやすい
デメリットは
- 満充電に時間がかかる(数時間~一日程度)
- 来客用としては回転率が低い
「バッテリーに負荷をかけずに充電したい。」「充電を完了するまでの時間がある。」
といった、一般家庭やマンションの駐車場・企業の社用車用にオススメな充電器です。
急速充電器(50kW~150kW)とは?
急速充電器は名前の通り「急いで」「速く」充電できるもので、外出先で利用するタイプの充電器です。
先ほどの普通充電器は「交流電流→直流電流」に変換して充電するのに対して、急速充電器は直流電源(電流)を使用するので大きな電力をバッテリーに送ることができます。
バッテリー容量が20kWhのEV自動車の充電をする場合、30分もかからずに100%充電が出来ます。
あくまでも計算上での話ですので、車種や出力、メーカーなどさまざまな条件により多少の誤差はありますが、短時間で充電できるため、高速道路のSAや商業施設・宿泊施設・公共施設など「来客用サービス」として導入されることが多いです。
30分~1時間程度で充電が可能ですが、大型の据置型なので、設置にはスペースが必要になり、電気契約の見直しがほぼ必須となります。

急速充電器(50kW~150kW)のメリット・デメリット|商業施設・宿泊施設などの来客用サービスにオススメ
急速充電器(50kW~150kW)のメリットは
- 充電時間が短く、回転率が高い
- 来客サービスとしての価値が大きい
- 商業施設などでは集客効果が期待できる
デメリットは
- 設置費用が高額になる
- 電力工事が必要になるケースが多い
「電気自動車(EV)を利用しているお客様にも立ち寄ってもらいたい。」「他の施設と差別化をはかりたい。」
といった、商業施設や宿泊施設・公共施設の「来客用サービス」としてオススメな充電器です。
設置費用の相場(目安)はいくらくらい?
ここからは充電設備を導入する場合、一体どれくらいの費用がかかるかについてご説明いたします。
普通充電器(3kW~6kW)の場合
充電器本体の費用は、コンセントタイプで5,000円~10万円以下程度で、
据置タイプですと、15万円~25万円以上と幅広くあります。
設置工事費用は、10万円~20万円前後ですが、
200V化の工事が必要など追加工事が必要な場合、
30~40万円前後になる可能性もあります。
急速充電器(50kW~150kW)の場合
充電器本体の費用は200万円以上と高額な物が多く、
高圧受電設備の追加が必要となれば、さらに400万円~500万円以上かかります。
そのため、初期費用はかなり高額になります。
*実際の費用は電力容量・配線距離・設置場所により大きく変動します。
企業にとって費用は重要な判断材料ですが、
「どの充電器が自社の運用に最適か」を見極めることが最も重要です。
協力会社として施工に携わる中でも、現場ごとに条件が大きく異なることを実感しています。
普通充電器と急速充電器の比較表
以上の話を簡単に表にまとめてみました。
| 普通充電器(3kW~6kW) | 急速充電器(50kW~150kW) | |
| 使用電源 | 一般家庭と同じ交流電源 | 高出力の直流電源 |
| 0%→100%までの充電速度 (バッテリー容量が60kWhの車での比較) | 3kW→20時間 6kW→10時間 | 約30分~1時間程度 |
| 充電器本体の費用 | コンセントタイプ→5,000円~10万円以下 据置タイプ→15万円~25万円以上 | kW数によりかなり幅があるが、1基200万円~1,000万円以上 |
| 設置工事費用 | 10万円~20万円前後 *分電盤工事など追加工事が発生する場合は、30万円~40万円前後になる可能性あり | 200万円~1,000万円以上 *設置台数や場所により変動あり 高圧受電設備工事が必要な場合は、 追加で400万円~500万円以上必要 |
| 電力容量 | 小~中 | 大(契約変更が必要になる場合もある) |
| メリット | ・バッテリーへの負担が少ない ・社用車などの夜間充電に最適 ・マンション、企業、駐車場などの施設で 導入しやすい | ・充電時間が短く、回転率が高い ・来客サービスとしての価値が大きい ・商業施設などでは集客効果が期待できる |
| デメリット | ・満充電に時間がかかる(数時間~一日程度) ・来客用としては回転率が低い | ・設置費用が高額になる ・電力工事が必要になるケースが多い |
| 用途 | 社用車・マンション | 来客用・商業施設など |
| 寒冷地対策 | 比較的容易 | 防雪対策などが必要 |
*充電に必要な時間や、充電器本体・工事費用などは、商品やメーカー、種類、条件によって誤差はあります。
となりますので、企業として設置する場合は、
- 社用車の運用が中心→普通充電器
- 来客サービスを重視→急速充電器
という選び方が一般的になります。
電気自動車(EV)充電設備を企業が導入するメリット・デメリット
ここからは、電気自動車(EV)充電設備についてのメリット・デメリットを、
企業側の視点からご説明いたします。
電気自動車(EV)充電設備を導入するメリットとは?
●企業価値・ブランド力の向上
EV充電設備の設置は、SDGsや脱炭素への取り組みとして高く評価されやすく、
取引先や求職者からの印象アップにもつながり、企業の社会的価値を高める効果があります。
●社用車のランニングコスト削減
ガソリン価格の変動に左右されにくく、夜間充電を活用すれば電気代を抑えることも可能です。
長期的に見ると、社用車の維持コスト削減に大きく貢献します。
●来客用サービスとしての差別化
商業施設・宿泊施設などでは、EVユーザー向けのサービスとして充電設備が求められています。
「充電できる企業」は選ばれやすく、集客力向上にもつながります。
電気自動車(EV)充電設備(特に道東などの寒冷地)を導入するデメリットとは?
●寒冷地での充電速度低下
気温が低いとバッテリー性能が落ち、充電時間が長くなる傾向があります。
企業の場合、車両の運用スケジュールに合わせた充電器の選定(普通充電・急速充電など)が必要です。
●積雪・凍結による設備トラブル
屋外設備では、積雪で機器が埋まったり、ケーブルが凍結して硬化、破損するリスクがあります。
協力会社として施工に携わる中で、以下のような対策が重要だと感じています。
- 防雪屋根の設置
- 配管やケーブルの保護
- 積雪を考慮した設置高さの調整
これらは、寒冷地で設備を長く安全に使うために欠かせないポイントだと思います。
●電力容量の不足
企業やマンションでは、既存の電力契約では充電器を複数台運用できないケースが多くあります。
事前の負荷計算や契約容量の見直しが必要で、現地調査が欠かせません。
まとめ:電気自動車(EV)充電設備は次世代エネルギーとして企業のメリットになる
EV充電設備の導入は、企業価値向上・コスト削減・サービス強化につながる大きなメリットがあります。
しかし、北海道では気候条件を踏まえた設備選定と施工が欠かせません。
当社は協力会社として現場に携わる中で、
寒冷地では「充電速度の低下」「積雪・凍結」「塩害」「電力容量」など、
本州とは異なる注意点が多いことを実感しています。
今回の内容が、EV充電設備の導入を検討されている企業様の参考になれば幸いです。
日進電設工業は協力会社として電気自動車(EV)充電設備の施工経験があります
当社は協力会社として、支給された機器を用いた電気自動車(EV)充電設備の後付け工事・施工に携わってきました。
実際の施工現場で得た“寒冷地ならではの注意点”や“安全に長く使うためのポイント” を経験しています。
当社では、第一種電気工事士が現場を担当し、
寒冷地での安全性・耐久性を考慮しながら丁寧に施工を行っています。
EV充電設備の設置に関するご相談も承っておりますので、
どうぞお気軽にお問い合わせください。




